φ 配管インチ計算実務解説一覧

PRACTICAL GUIDE

インチメーター・インチダイヤの基本

配管長に関する物量を表すIM(BM)と、溶接物量を表すDB。計算式、拾い方、概算金額までを一つの配管ルートを例に整理します。

インチメーター(IM・BM)とは

呼び径のインチ数に配管長さ(m)を掛けた数量です。配管工事ではBMと表記されることがあり、一般に「B呼称×m」を意味します。inch-dia.comでは画面上の単位をIM(インチメーター)に統一していますが、計算の考え方は同じです。

基本式IM(BM)=呼び径のインチ数 × 配管長さ(m)

100Aは4インチなので、100Aの直管が12mなら「4×12=48IM」です。呼び径の換算は配管口径 A・B呼称の早見表で確認できます。契約書や社内基準でBMなど別の表記が指定されている場合は、その表記を優先してください。

インチダイヤ(DB)とは

呼び径のインチ数に溶接口数を掛けた数量です。100Aを3口溶接する場合は「4×3=12DB」です。同じ配管長でもエルボやチーズが増えるほど溶接口が増えるため、DBは溶接物量を整理する指標として使えます。

基本式DB=接続口径のインチ数 × 溶接口数
25A以下の計算ルール

本計算機では見積上の最低値として、15A・20A・25Aを1口あたり1DBで計算します。全国共通の強制ルールではないため、契約条件や社内基準がある場合はそちらを優先してください。詳しくは25A以下のDB計算ルールで解説しています。

IMとDBの違い

比較項目IM(BM)DB
表す物量配管長に関する物量溶接に関する物量
基本式インチ数×長さ(m)インチ数×溶接口数
増える条件配管が長い、口径が大きい溶接口が多い、口径が大きい
主な用途敷設・運搬・取付量の整理加工・溶接量の整理
表しにくいもの継手が多い配管の溶接手間長尺配管の敷設・支持量

IMだけでは継手が多い複雑な配管の手間を表しにくく、DBだけでは長尺配管の敷設量を表せません。見積では両方を分けて集計すると、数量の根拠が見えやすくなります。

複数口径を含む配管ルートのIM計算例

次の3区間を口径ごとに計算し、最後に合計します。

区間口径長さ計算IM
A100A(4インチ)8m4×832
B80A(3インチ)6m3×618
C50A(2インチ)4m2×48
合計58IM

配管長は図面寸法をそのまま合計せず、口径・材質・施工区分ごとに分けてからIMへ換算すると、単価補正や設計変更へ対応しやすくなります。

エルボ・チーズ・レジューサーを含むDB計算例

継手は「個数」ではなく、接続する各口の口径で数えます。エルボは2口、チーズは主管2口+枝管1口、レジューサーは大径側1口+小径側1口として計算します。

継手口数・口径計算DB
100Aエルボ×2個100A×4口4インチ×4口16
100A×80Aレジューサー×1個100A×1口+80A×1口4+37
80A×50Aチーズ×1個80A×2口+50A×1口3×2+28
合計31DB

フランジや差込み溶接を含む場合は、採用する接続形式と見積ルールを先に決めます。継手ごとの数え方は継手別・インチダイヤの数え方で確認できます。

IM・DBから概算金額を求める

上の例で、仮にIM単価を3,000円、DB単価を5,000円とした場合の計算です。

概算施工費58IM×3,000円+31DB×5,000円=329,000円(税抜)

この金額は、設定した単価の費用範囲を前提にした概算です。単価が同じでも、材料・運搬・支持金物などを含むかどうかで見積総額は変わります。実際の組み立て方はIM・DBを使った配管見積もあわせて確認してください。

工場溶接と現場溶接を分ける理由

同じ1DBでも、工場と現場では施工条件が異なります。工場は姿勢・電源・工具・材料搬送を整えやすい一方、現場では高所、狭所、既設設備、火気養生、移動や待機などの条件が加わる場合があります。そのため、数量表では工場溶接と現場溶接を分け、必要に応じて別単価や補正を設定します。

集計欄の例材質/口径/工場・現場/溶接方法/DB/適用単価

IM・DB単価に含める範囲を決める

IM・DBは数量指標であり、単位そのものに材料費や施工費が含まれているわけではありません。単価に含める費用と別途計上する費用を見積条件へ明記します。

単価へ含める例別途計上を検討する例
直管の運搬・配管取付管材・継手・バルブの材料費
工場加工・通常姿勢の溶接支持金物・架台・アンカー
通常の工具・消耗品足場・揚重・重機・交通宿泊
標準的な施工管理費塗装・保温・酸洗い・検査・試運転
少量工事はIM・DBだけで決まりにくい

現場乗込み、養生、安全設備、打合せなどは数量が少なくても発生します。短い配管や少数の溶接では、最低施工費や一式費用も検討してください。

集計で起こりやすい失敗

見積明細へ残すチェック項目

よくある質問

BMとIMは違う単位ですか?

配管見積の文脈では、どちらも「B呼称×配管長m」を指して使われることがあります。本サイトではIMと表示しています。表記や適用範囲は発注者・会社ごとに確認してください。

DBは溶接箇所の数と同じですか?

単純な箇所数ではありません。接続口径のインチ数を溶接口ごとに掛けた数量です。同じ1口でも、50Aなら2DB、100Aなら4DBが基本です。

IM・DBだけで正式見積を作れますか?

概算や数量変更の基準には使えますが、材料、支持、足場、揚重、塗装、保温、検査、現場管理なども確認が必要です。最終見積では図面・仕様書・契約条件を優先してください。

参考:プラント配管見積の解説 / 配管工事の積算解説

計算の背景にある現場判断も公開

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