FIELD NOTE / 溶接・品質
SUS配管TIG溶接の施工前打合せで確認していること
バックシールド、管内酸素濃度、測定記録、酸洗い、仕上がり確認を、着工前にどうそろえるかを整理します。
執筆:inch-dia.com運営者 | 公開・更新:2026年10月5日
溶接開始後ではなく、開始前に条件をそろえる
SUS配管のTIG溶接では、外観が整っていても管内側の酸化が強ければ、耐食性に影響する可能性があります。私は着工前の打合せで、溶接方法だけでなく、バックシールドの方法、酸素濃度の管理値、測定位置、記録方法、溶接後の処理まで一続きで確認します。
バックシールドの範囲
アルゴンを流すことだけを決めても、開口部が大きい、封止位置が遠い、空気が抜ける経路がない場合は置換が安定しません。どこを塞ぎ、どこから入れ、どこへ逃がすかを施工前に確認します。長い配管や枝管がある場合は、置換する容積も変わります。
管内酸素濃度は測定方法まで決める
現場基準で管内酸素濃度1%未満を求める場合、数値だけでなく、測定器、校正状態、測定場所、測定のタイミングを決めます。パージ開始直後の一回だけではなく、溶接開始前と必要な施工区分ごとに確認し、記録へ残せる形にします。
配管番号、溶接番号、測定日時、酸素濃度、測定器、施工者、確認者を対応させます。写真だけでなく、どの継手の記録か分かる番号が必要です。
仮付け・本溶接・仕上げを分けない
仮付け時も管内へ空気が入れば酸化が進むため、仮付けを含めて管理条件をそろえます。本溶接後は内面の焼け、ビード、溶込みを確認し、外面は酸洗い・不動態化・洗浄の範囲を仕様書と照合します。薬品を使う場合は、周辺材への影響、洗浄水の処理、保護具も施工計画に含めます。
施工前チェック
- 母材、溶加棒、シールドガスの仕様が合っている
- 開先、ルート間隔、清掃方法が決まっている
- バックシールドの封止・供給・排気位置が決まっている
- 酸素濃度の基準、測定位置、記録様式が決まっている
- 仮付けから本溶接まで同じ品質条件で管理する
- 酸洗い、不動態化、洗浄、検査の範囲が明確になっている
重要なのは、職人の技量だけに任せず、元請・施工管理・溶接施工者が同じ合格条件を共有することです。着工前に記録様式まで作ると、施工後の「測っていたはず」を減らせます。
SUS溶接・酸洗い・不動態化の基本も参照してください。
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