PRACTICAL GUIDE
工場溶接と現場溶接で単価が変わる理由
同じ口径・同じDBでも、溶接する場所と条件によって実際の工数は変わります。数量を分ける理由と、見積へ反映する項目を整理します。
執筆・確認:配管・水処理設備の施工管理実務者 | 最終更新:2026年9月22日
DBが同じでも作業時間は同じではない
DBは口径と溶接口数から溶接物量を揃える指標です。ただし、姿勢、作業高さ、周囲の設備、材料搬送、火気養生、電源、待機時間までは表しません。工場では定盤、回転治具、工具、照明を整えやすい一方、現場では施工条件に合わせた準備と移動が増えます。
| 項目 | 工場溶接 | 現場溶接 |
|---|---|---|
| 姿勢 | 回転・下向きを作りやすい | 固定・上向き・狭所が生じる |
| 段取り | 工具と材料を集約しやすい | 搬入、移動、足場が必要 |
| 安全対策 | 常設設備を使いやすい | 火気養生、監視、換気を都度確認 |
| 品質条件 | 環境を安定させやすい | 風、雨、既設設備の影響を受ける |
| 工程 | 連続作業に向く | 他工種・停止時間との調整が増える |
数量表の分け方
拾い出し段階から「工場DB」「現場DB」を別列にします。材質、口径、肉厚、溶接方法、検査率も記録すると、単価補正の根拠を残せます。現場合わせ部は図面上で記号を統一し、工場製作図と現地取付図の境界を決めます。
集計例SUS304 100A Sch10S:工場40DB/現場16DB/現場RT対象8DB
現場単価へ影響する条件
- 高所・狭所・ピット内・既設配管密集部での作業
- 固定管の姿勢溶接、芯出し、現場合わせ切断
- 火気使用時間の制限、監視人、消火設備、養生範囲
- 稼働設備の停止時間、入退場、工具持込み制限
- 雨風対策、照明、換気、仮設電源、足場・作業床
- 非破壊検査、酸洗い、耐圧試験、記録書類
単純な倍率だけで決めない
「現場溶接は工場の1.5倍」などの一律補正は便利ですが、現場条件が違えば不足または過大になります。標準単価へ姿勢、高所、狭所、夜間、検査などの補正を加えるか、段取り費と付帯費を別項目にします。
二重計上に注意
現場DB単価に足場・火気養生を含めたうえで、同じ費用を別項目にも計上しないよう、単価条件を明記します。
見積条件の記載例
記載例工場溶接と現場溶接を区分して計上する。現場DB単価は通常姿勢の溶接・一般消耗品を含み、足場、揚重、火気監視、非破壊検査、酸洗いは別途とする。
DBの基本はインチメーター・インチダイヤの基本、費用範囲は配管工事見積に含める費用で確認できます。
数字が決まったら、そのまま計算
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