φ 配管インチ計算実務解説一覧

PRACTICAL GUIDE

IM・DBを使った配管見積

配管長に比例する作業と、溶接口数に比例する作業を分けると、数量変更にも対応しやすい見積になります。IM・DBの計算から単価条件、別途項目まで実務の組み立て方を解説します。

IMとDBを分けて考える

インチメーター(IM)は呼び径のインチ数×配管長、インチダイヤ(DB)は呼び径のインチ数×溶接口数です。長い直管はIMが増え、継手が多い複雑な配管はDBが増えます。両方を分けて数量化することで、配管ルートの特徴を見積へ反映しやすくなります。

基本式概算施工費=総IM×IM単価+総DB×DB単価

概算金額の計算例

総IMが120、総DBが80、仮のIM単価が3,000円、DB単価が5,000円の場合を考えます。

配管長に関する施工費120IM×3,000円=360,000円
溶接に関する施工費80DB×5,000円=400,000円

合計は税抜760,000円です。ただし、この金額は単価に含む範囲が決まって初めて意味を持ちます。IM・DB自体は数量指標であり、材料費や足場費が自動的に含まれるわけではありません。

単価を分ける主な条件

例えば、SGPの工場製作とSUSの高所現場溶接を同じ単価にすると、実際の工数差が見えません。最低でも材質、工場/現場、作業条件の3軸で明細を分けます。

IM・DBだけでは拾えない費用

配管工事には、数量に比例しにくい固定費や周辺工事があります。材料費、支持金物、足場、揚重、保温、塗装、検査、交通・宿泊、現場管理、安全設備、廃材処分などは別途項目として積み上げます。

工事範囲を5つに分ける

私は見積範囲を、材料調達、工場加工、運搬、現場取付、試験・仕上げの順に分けます。「配管工事一式」だけでは、相フランジや支持金物を誰が手配するのか、足場や試験を含むのかが残らないためです。

区分含める候補確認すること
材料直管、継手、フランジ、バルブ支給品、予備率、運賃
加工切断、開先、溶接、酸洗い工場・現場、検査範囲
取付配管、機器接続、支持金物高所・狭所・稼働設備
仮設足場、揚重、養生、電源元請支給か自社手配か
試験・仕上げ耐圧、洗浄、塗装、保温試験媒体、記録、復旧
条件書へ残す文例

IM単価は直管運搬・現場取付を含む。DB単価は開先加工・溶接を含む。管材、継手、支持金物、足場、塗装、保温、検査は別途とする。

見落としやすい費用

総額をIM・DBだけで確定しない

小口径で短い工事でも、現場乗込み、養生、KY、試運転など一定の工数が発生します。少量工事では最低施工費や一式費用を検討します。

数量変更へ対応できる見積にする

「配管工事一式」だけでは、設計変更時に増減根拠を説明できません。口径・材質・施工区分ごとにIMとDBを記載し、単価と金額を分けます。変更後は増減数量へ同じ単価を適用できるため、協議がしやすくなります。

区分数量単価金額
SGP 工場製作80IM設定単価数量×単価
SGP 現場取付40IM設定単価数量×単価
溶接施工80DB設定単価数量×単価
足場・揚重等一式積上げ別途算定

見積条件へ必ず書くこと

IM・DBの基本はインチメーター・インチダイヤの基本、継手の溶接口数は継手別DBの数え方で確認できます。

提出前に照合する

支給品と購入品、工場施工と現場施工、含む項目と別途項目が対になっているかを確認します。最後に、見積有効期限、工期条件、消費税、法定福利費、数量精算の方法を記載すると、変更時の協議資料として使いやすくなります。

実際の数量例は100A配管更新工事のIM・DB・概算見積で確認できます。

まとめ

配管見積では、配管長に関するIMと溶接量に関するDBを分け、材質・肉厚・施工場所・品質条件に応じて単価を設定します。周辺工事と固定費を別途積み上げ、見積条件を明記することで、変更時にも説明できる見積になります。

計算の背景にある現場判断も公開

材料拾い、溶接品質、接着接合などの実務メモを運営者ブログに記録しています。

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