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WATER TREATMENT GUIDE

沈殿槽の上澄みが濁る原因|症状別の確認手順と対策

沈殿槽の濁りは、汚泥が沈まない場合だけでなく、沈んだ汚泥の再浮上、微細フロックの流出、越流の偏りでも起こります。まず見た目と発生場所から原因を絞ります。

最初の5分で見るポイント

  1. 濁りが槽全面か、一部の越流部だけか
  2. 流出物が細かな粒子か、大きな汚泥塊か
  3. 汚泥界面が通常より高いか
  4. 浮上汚泥に細かな気泡が付いているか
  5. 越流堰の水量、スカム、偏流に異常がないか

採水瓶に処理水を取り、沈む粒子か、沈まず残る微粒子かも確認します。見た目を写真と時刻付きで残すと、運転データと照合しやすくなります。

症状から原因を切り分ける

見え方疑う状態次の確認
細かな粒子で白っぽく濁る微細フロック、分散成長上澄み、DO、負荷、pH、顕微鏡
汚泥塊が越流する界面上昇、固形物負荷過大界面、MLSS、返送・引き抜き量
気泡付き汚泥が浮く沈殿槽内の脱窒硝酸態窒素、滞留時間、返送状態
沈降が遅く全体が膨らむバルキングSVI、DO、F/M、水温、顕微鏡
一部の越流部だけ濁る偏流、堰の不均一、設備異常越流水量、堰、掻寄機、流入部

原因1:微細フロックが流出している

汚泥が細かく分散し、沈みきらずに越流する状態です。低負荷、過曝気、急な水質変化、阻害物質、栄養バランス、フロック形成不良などを確認します。SV30が低くても上澄みが濁るなら、良好に沈んだとは限りません。

原因2:汚泥界面が高い

返送不足、余剰汚泥の引き抜き不足、流入量増加、MLSS上昇、沈降性悪化などで汚泥が蓄積すると、処理水側へ流出しやすくなります。界面を複数箇所で測り、偏りも確認します。

原因3:沈んだ汚泥が浮上している

沈殿槽内で脱窒が進むと、窒素ガスが汚泥を持ち上げることがあります。浮上物への細かな気泡付着、硝酸態窒素、汚泥滞留時間、返送状態を確認します。詳しくは硝化と脱窒の解説を参照してください。

原因4:バルキングで沈降性が悪い

SV30の沈降過程とSVIの推移を確認します。MLSSが平常でもSV30・SVIが上昇し、界面がぼやける場合は沈降性悪化を疑います。一度の数値だけで断定せず、DO、負荷、水温、pH、顕微鏡観察を合わせます。

現場で確認する順番

  1. 濁り方、発生場所、浮遊物の外観を記録
  2. 汚泥界面を複数箇所で測定
  3. SV30の沈降過程と上澄みを観察
  4. MLSSとSVIを計算し、平常時と比較
  5. DO、pH、水温、流入量・負荷の変化を確認
  6. 返送汚泥量、余剰汚泥量、設備運転を確認
  7. 処理水SSとアンモニア・硝酸の推移を照合

関連:MLSSの確認手順・DOが上がらない原因・SRTとHRT

操作変更時の注意

濁りの原因によって、返送量や余剰汚泥量の操作方向は異なります。急な大幅変更を避け、変更時刻と操作量を記録し、界面・処理水SS・SV30の反応を確認してください。

よくある質問

上澄みが濁ったら、まず何を確認しますか?

濁りが全面か局所か、浮遊物が細かいか塊か、汚泥界面が高いかを確認します。その後にSV30・SVI、MLSS、DO、返送量を照合します。

沈んだ汚泥が再び浮くのはなぜですか?

沈殿槽内で脱窒が進み、窒素ガスが汚泥を持ち上げる場合があります。浮上汚泥への細かな気泡付着と滞留時間を確認します。

返送汚泥量を増やせば濁りは直りますか?

界面上昇には有効な場合がありますが、流速や水理条件を悪化させる場合もあります。原因と設備の設計範囲を確認して段階的に調整します。

管理値や操作条件は施設ごとに異なります。実際の運転操作は、設計条件・維持管理基準・測定結果・責任者の判断を優先してください。