WATER TREATMENT GUIDE
曝気槽の泡が消えない原因|白い泡・茶色い泡の確認手順
曝気槽の発泡は、立上げ時の低MLSS、負荷変動、界面活性剤、古い汚泥、散気の偏りなど、原因によって見え方が変わります。消泡剤を入れる前に、泡の色・粘り・発生場所・消え方を記録します。
まず記録する5項目
- 白・茶・黒など泡の色
- 大きさ、粘り、消えるまでの時間
- 槽全面か、流入口・散気部など局所か
- いつから発生し、どの時間帯で増えるか
- 臭い、油膜、流入水の色の変化
写真を同じ位置から撮り、流量、DO、MLSS、SV30、水温、薬品使用履歴と並べると原因を絞りやすくなります。
泡の見た目から確認する
| 泡の状態 | 考えられる原因 | 次に確認する項目 |
|---|---|---|
| 白く軽く、すぐ消える | 立上げ・低MLSS・低負荷時の発泡 | MLSS、汚泥流出、運転開始時期 |
| 白く大量で消えにくい | 洗剤・界面活性剤の流入 | 工程洗浄、流入履歴、油膜、pH |
| 茶色く粘りがある | 汚泥齢の長期化、特定微生物の増殖 | SRT、余剰汚泥、顕微鏡観察 |
| 黒っぽく腐敗臭がある | 嫌気化、撹拌不足、堆積 | DO、デッドスペース、散気状態 |
| 特定区画だけ発泡 | 散気偏り、局所流入、配管異常 | バルブ、気泡分布、流入口 |
原因1:MLSSが少ない・立上げ直後
活性汚泥が十分に形成されていない時期は、流入有機物が処理されきらず、白い泡が出やすくなります。MLSSだけでなく、フロックの形成、上澄み、処理水BOD・CODの推移を確認します。
汚泥を急に増やすのではなく、負荷と設備条件に合わせて安定化を待ちます。確認方法はMLSSの見方も参考にしてください。
原因2:洗剤・界面活性剤が流入している
設備洗浄、床洗浄、製品切替などの後に白い泡が急増した場合は、界面活性剤の流入を疑います。流入側へ発生時刻を伝え、洗浄作業や薬品使用の記録と照合します。
消泡剤や中和剤は生物処理や後段設備へ影響する場合があります。種類、投入量、使用可否を施設の管理基準と薬品資料で確認してください。
原因3:汚泥齢が長い・茶色い粘性泡
余剰汚泥の引き抜き不足などでSRTが長くなり、茶色く粘りのある泡が槽面に残ることがあります。MLSS、SRT、余剰汚泥量、F/M比、顕微鏡観察を合わせて確認します。
泡だけを見て余剰汚泥を大幅に増やすと、硝化に必要な汚泥まで減らすおそれがあります。アンモニア性窒素と水温も確認し、段階的に判断します。
原因4:散気・撹拌の偏り
散気装置の閉塞や破損、バルブ開度の偏りがあると、特定範囲に泡やスカムが集まります。槽全面の気泡分布、ブロワ吐出圧力、各系統のバルブ開度を正常時と比較します。
DOが上がらない場合の設備確認と同じく、計器・ブロワ・配管・散気装置の順で切り分けます。
対応前のチェックリスト
- 泡の色・粘り・範囲を写真で残したか
- DO、MLSS、SV30、pH、水温を確認したか
- 流入量・負荷量が増えていないか
- 洗浄・薬品・製造工程の変更がないか
- SRTと余剰汚泥量に変化がないか
- 散気の偏りや設備異常がないか
まとめ
曝気槽の泡は、色と消え方だけで断定せず、「見た目→発生時刻→流入履歴→MLSS・SRT→DO・散気」の順に確認します。消泡は症状を抑える処置であり、再発防止には流入または運転条件の原因特定が必要です。
管理値や操作条件は施設ごとに異なります。実際の運転操作は、設計条件・維持管理基準・測定結果・責任者の判断を優先してください。