WATER TREATMENT GUIDE
MLSS・SV30・SVIから沈降状態を判断する実例
MLSS 3,000mg/L、SV30 450mL/Lという点検結果からSVIを計算し、数値だけで結論を出さずに現場で何を確認するかを整理します。
執筆・確認:水処理プラント・配管設備の施工管理実務者 | 最終更新:2026年9月28日
今回の点検データ
| 項目 | 測定値 |
|---|---|
| MLSS | 3,000mg/L=3.0g/L |
| SV30 | 450mL/L |
| DO | 1.0mg/L |
| 上澄み | やや濁りあり |
| 汚泥界面 | 前日より上昇 |
1.SVIを計算する
SVI(mL/g)=SV30(mL/L)÷ MLSS(g/L)
450 ÷ 3.0 = 150mL/g
今回のSVIは150mL/gです。ただし、一律の正常・異常値だけで判断せず、その施設の安定運転時の範囲と推移を比較します。
2.数値の組み合わせを読む
MLSSが3,000mg/Lで、SV30とSVIが過去値より上がり、上澄みも濁っている場合は、単に汚泥量が多いだけでなく、沈降性の悪化や微細フロックの流出を疑います。DO 1.0mg/Lが通常より低い場合は、酸素不足も確認対象です。
| 観察結果 | 読み取れること |
|---|---|
| SVI上昇 | 同じMLSSでも汚泥がかさばっている可能性 |
| 上澄みの濁り | 微細フロックや分散汚泥が残っている可能性 |
| 界面上昇 | 返送不足、固形物負荷増加、沈降悪化を確認 |
| DO低下 | 負荷増加、風量不足、散気不良を確認 |
3.現場で確認する順番
- 採水位置・時刻・容器が通常と同じか
- 5分・10分・30分の沈降過程と界面の明瞭さ
- 曝気槽の入口・中間・末端のDO
- 流入量、BOD・COD負荷、pH、水温
- 返送汚泥量と返送汚泥濃度
- 余剰汚泥の引き抜き量と停止履歴
- 沈殿槽の界面、越流、浮上汚泥
4.操作変更前に考えること
SVIが高いからといって、すぐに余剰汚泥を大量に引き抜くのは危険です。SRTが短くなり、硝化が不安定になる場合があります。返送量を急増させても水理条件が悪化する可能性があるため、原因を確認して一度に1項目ずつ変更します。
今回の判断例
一次判断沈降性悪化の兆候あり。DO分布、流入負荷、返送・余剰汚泥の履歴を確認し、原因を切り分ける。
計算は水処理計算ツール、測定条件はSV30の測定方法、数値の組み合わせはSVIの解説で確認できます。
管理値や操作条件は施設ごとに異なります。実際の運転操作は、設計条件・維持管理基準・測定結果・責任者の判断を優先してください。