WATER TREATMENT GUIDE
BOD・COD・SSの違いとは?水質管理での見方を現場向けに解説
BODとCODは水中の有機物などによる汚れを酸素消費量で捉える指標、SSは水中に浮遊する固形物の量を示す指標です。似て見える3項目の役割と、異常時の確認順を整理します。
BOD・COD・SSの違い
BOD=微生物が分解するときに必要な酸素量
COD=酸化剤で化学的に酸化するときに必要な酸素量
SS=水中に浮遊している固形物の量
いずれも一般にmg/Lで表しますが、測っている対象と方法が違います。同じ排水でもBOD・COD・SSは別の動きをするため、1項目だけで処理状態を判断しないことが重要です。
BODとは
BODは生物化学的酸素要求量です。水中の有機物を微生物が分解するときに消費する酸素量を表し、値が高いほど生物分解されやすい有機物が多い傾向があります。活性汚泥処理の流入負荷や処理効果を見る際に重要です。
- 流入BODが上昇すると、曝気槽の酸素消費量が増える
- 処理水BODが上昇したら、負荷・DO・汚泥状態・沈殿状況を確認する
- 採水後すぐ結果が出ないため、日常管理ではDOや透視度なども併用する
CODとは
CODは化学的酸素要求量です。酸化剤を使って水中の物質を酸化し、そのときに消費された酸化剤の量を酸素量に換算します。BODとは反応の仕組みが違うため、両者の値は一致しません。
生物処理後もCODが残る場合は、生物分解されにくい有機物、原水組成の変化、薬品や製造工程由来物質の流入なども考えます。施設内では同じ分析方法で継続し、過去の傾向と比較することが大切です。
SSとは
SSは浮遊物質量です。水中に浮いている微細な固形物を表します。処理水SSの上昇は、最終沈殿池からの汚泥流出、微細フロック、バルキング、過曝気によるフロックの細分化などで起こります。
上澄みが濁る場合は、沈殿槽の濁りと浮上汚泥の確認方法も参照してください。
除去率の計算
(流入濃度 − 処理水濃度)÷ 流入濃度 × 100
例えば流入BODが200mg/L、処理水BODが10mg/Lなら、除去率は95%です。ただし濃度だけの比較では流量変動を反映できないため、負荷量も合わせて確認します。
汚濁負荷量の計算
流量(m³/日)× 濃度(mg/L)÷ 1,000
流量500m³/日、BOD濃度200mg/Lなら、BOD負荷量は100kg/日です。濃度が同じでも流量が2倍になれば、設備に入る負荷量も2倍になります。
水処理計算では、流量と濃度から負荷量を自動計算できます。
数値が悪化したときの確認順
- 採水場所・採水時刻・分析方法に変化がないか
- 流入流量と流入濃度から負荷量を確認する
- DO、pH、水温に急変がないか
- MLSS、SV30、SVIと汚泥の色・臭気を確認する
- 返送汚泥量・余剰汚泥引抜量・沈殿池の界面を確認する
- 製造工程や薬品使用量など、流入側の変更履歴を確認する
まとめ
BODは生物分解されやすい汚れ、CODは化学的に酸化される汚れ、SSは浮遊する固形物を見る指標です。流入・処理水の濃度、除去率、負荷量を時系列で並べ、運転条件と合わせて判断します。
管理値や操作条件は施設ごとに異なります。実際の運転操作は、設計条件・維持管理基準・測定結果・責任者の判断を優先してください。