WATER TREATMENT GUIDE
活性汚泥の色・臭い・フロックの見方|日常点検の観察ポイント
活性汚泥は、分析結果が出る前に色・臭い・泡・フロック・沈み方が変わることがあります。感覚だけで良否を決めず、毎回同じ条件で観察してDO・MLSS・SV30・処理水質と照合します。
毎日の観察条件をそろえる
色や臭いは照明、採水場所、曝気状態、見る人で評価が変わります。同じ場所・時間・容器で採水し、可能なら写真を同じ背景と明るさで残します。「茶色」だけでなく「前日より濃い」「浮遊する細かな粒が増えた」のように変化を記録します。
6つの観察ポイント
| 観察項目 | 記録する内容 | 一緒に確認する数値 |
|---|---|---|
| 色 | 明るい茶、濃い茶、灰、黒など | DO、SRT、負荷、水温 |
| 臭い | 土様、腐敗、硫化水素、薬品臭 | DO、pH、流入履歴 |
| フロック | 大きさ、締まり、崩れ、分散粒子 | SV30、SVI、処理水SS |
| 泡 | 色、粘り、範囲、消え方 | MLSS、SRT、薬品使用 |
| 沈降 | 5分・10分・30分の界面 | SV30、SVI、MLSS |
| 上澄み | 透明度、微粒子、浮上物 | SS、BOD、COD |
色の変化から考える
安定時の色は施設や排水の種類によって異なるため、特定の色を一律に正常とはできません。大切なのは、その施設の安定時からどう変わったかです。
- 黒っぽくなった:酸素不足、撹拌不足、堆積部の嫌気化を確認
- 灰色っぽくなった:流入変化、活性低下、無機性固形物の増加などを確認
- 急に色が変わった:製造工程、薬品、着色排水、返流水の変化を確認
色だけで操作せず、DO、pH、処理水質、臭いの変化を照合します。
臭いの変化から考える
通常時と異なる腐敗臭や硫化水素臭がある場合は、低DO、デッドスペース、流入槽や配管内の滞留、汚泥堆積を確認します。溶剤・薬品のような臭いが急に出た場合は、流入元の作業変更も調べます。
槽、ピット、マンホール周辺では酸欠や有毒ガスのおそれがあります。顔を近づけて確認せず、施設の安全手順、換気、ガス測定、保護具を優先してください。
フロックと上澄みを見る
よくまとまったフロックでも、沈降が遅ければ沈殿槽で流出する場合があります。反対にSV30が低くても、上澄みに細かな粒子が多ければ処理水SSが上昇する可能性があります。
- 採水直後のフロックの大きさと分散粒子を見る
- 5分後の沈み始めと界面の明瞭さを見る
- 30分後の汚泥量と上澄みの透明度を見る
- 浮上、気泡付着、圧密状態を記録する
- MLSSからSVIを計算し、過去値と比較する
異常を感じたときの確認順
- 安全を確保し、写真・時刻・場所を記録する
- DO、pH、水温、MLSS、SV30を測定する
- 処理水の透視度・SS・アンモニアなど直近データを見る
- 流入量、負荷、薬品、工程変更を確認する
- ブロワ、返送汚泥、余剰汚泥の運転履歴を見る
- 沈殿槽の界面と越流状態を確認する
日報に残す書き方の例
10:00 曝気槽末端。前日より濃い茶色。茶色い粘性泡が水面の約3割。DO 1.2mg/L、MLSS 3,200mg/L、SV30 420mL/L。流入量は平常、昨夜から洗浄工程あり。
「汚泥が悪い」ではなく、場所・時刻・見た目・数値・変更点をセットで書くと、別の担当者でも変化を追えます。
まとめ
色・臭い・泡・フロックは早期発見の手がかりですが、それだけで原因を断定できません。同じ条件で変化を記録し、DO・MLSS・SV30・SVI・処理水質・設備運転を同じ時系列で照合することが、再現性のある日常管理につながります。
管理値や操作条件は施設ごとに異なります。実際の運転操作は、設計条件・維持管理基準・測定結果・責任者の判断を優先してください。